ともらぼ~CFPが100歳人生を考える~

金融教育がほとんどされない日本。その中でこれから迎える100歳人生をどう生きていくかを考えます。

日本における金融教育の実態~日本証券業協会の調査報告書を読み解く③~

 

今回もまた前回の続きでこちら、

「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査報告書」

を読み解きながら、

日本の金融教育の現状、日本の金融教育が海外と比べて遅れているといわれている

理由はどこにあるのか、それなのに日本が金融教育をしない理由は何なのか、

について考えていきたいと思います。

 

前回のブログはこちら

tomolabo-cfp.hatenablog.jp

tomolabo-cfp.hatenablog.jp

 

そもそも、金融教育とはどういうことを指しているのでしょうか?

今回の調査では、金融教育とは

「金融や経済の様々な動きを理解し、それを通じて社会や自身の生活・人生に

ついて考え行動する、生きる力を身に付ける教育」と定義しています。

(※このブログでは、一般的な呼び方である「金融教育」と表していますが

この調査では「金融経済教育」と表記されています)

結構壮大な教育テーマですね!

 

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それでは、調査の内容を見ていきます。

今更感はしますが、先生たちにアンケートを取った結果です。

 

まず、金融教育を知っていますか?との問いに対し、

知っている(49.5%

聞いたことはある(34.0%

知らない(15.8%

という結果が出ました。

 

「聞いたことはある」「知らない」を合わせると、49.8%になります。

「聞いたことはある」という先生は、きっと金融教育の授業を行ったことが

ないと考えられるので、半数近い先生が、金融教育授業を行ったことがない

ことが推測されますね。

 

これはどういうことなのでしょうか?

家庭科などの教科書の数ページに、金融教育についての内容が書かれているのでは

ないかと思うのですが、そこを読み飛ばしているのか、そのページが「金融教育」

だということに気がついていないのか、はたまた、教科書にそのページが無い

のでしょうか?

金融教育をやるかやらないかは、先生個人の判断に委ねられているということ

なのでしょうか。

 

それでは、金融教育に対する生徒の関心度はどうなのでしょう?

とても関心をもっていた(7.8%

ある程度関心をもっていた(71.2%

あまり関心を持っていなかった(18.8%

関心を持っていなかった(0.9%

という結果です。

 

「とても関心をもっていた」「ある程度関心をもっていた」を合わせると79%

なることから、生徒の関心度は悪くないようです。

そもそも、学校の授業の科目に対して、こんなに関心があるのはすごいこと

なのではないでしょうか!?

余談ですが私は、日本史とか、生物とか、古典とか、とっても苦手でまったく

関心がありませんでした・・・

生徒たちが金融教育にこんなに関心がある理由は何なのでしょう?

この調査に、その項目はありませんでしたが、やはり日常生活に関わること

だからでしょうか?

私が苦手だった、日本史とか、生物とかは、私には日常生活との関わりがあまり

感じられなかったんですよね。

なのでこれを勉強することで得られるメリットが当時の私には理解できなくて、

授業に関心を持って臨むことができませんでした・・・

(これは私の勝手な意見です)

 

それでは逆に、関心がない要因はどういったものなのでしょうか?(上位5位)

1:生徒にとって身近ではないため(72.9%

2:生徒にとって理解が難しいため(62.8%

3:教員の指導方法が十分ではないため(26.6%

4:効果的な指導法・教材が少ないため(21.3%

5:受験と関係が薄い内容であるため(18.7%

という結果でした。

 

1位の、生徒にとって身近ではないためというのは、授業の内容が実生活には

即してなかったということでしょうか。

「お金」の使い方とか、そういった内容だったら、身近に感じますもんね。

 

2位・3位・4位は、関連しているような気がします。

効果的な指導法・教材がないことで、教員の指導方法が十分でなく、その結果

生徒に難しく感じられてしまう、といった感じでしょうか。

 

今回見てきた調査結果から思うことは、「金融教育」というのは現場の先生に

任されている!という感じです。

ちょっと金融教育に知見のある先生だと、しっかり授業に組み込まれていて生徒の

関心度も高く、そうでない先生だと授業すら行われない、というように

読み取れました。

 

話は少し変わりますが、小学生の授業にプログラミングが組み込まれたという

ニュースを数年前に耳にしました。

プログラミングの授業は、もちろん私が学生の頃はありませんでした。

ただ、昨今のIT化の流れからすると、とても大切な授業だと思いますし、

今の小学生が大人になる頃には、プログラミングの技術は必須なんだと思います。

ただ、「お金」に関することは、なぜ必須にならないのでしょうか?

授業の内容を決める偉い方たちが「プログラミング」の大切さには気づいた

けれども、「お金」の大切さには気づかないのでしょうか。

もうここ何年も、日本人の金融に対する知識が少ないと言われているのに、

なぜなのでしょうか。

謎は深まるばかりです。

 

調査はまだまだ続きますので、今回はこれぐらいにしてまた次回見ていきたい

と思います。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

片っ端から読んでみたいです。