金融リテラシー教育を世界と比較してみる
こんにちは。TOMOです。
今日は前回予告した通り、金融リテラシー教育に関して、
日本と世界を比較してみたいと思います。
今日もこちらの調査を参考にしました。
余談ですが、この調査をしている「知るぽると」、
金融広報中央委員会というところのHPなのですが、
面白いコンテンツがたくさんありますよ。
それでは、本題に入りましょう。
まず、アメリカと日本の比較を見てみます。
金融リテラシークイズにおいて、共通の正誤問題の正答率は、
日本47%に対して、アメリカ53%です。
全体で見た時は、そこまで差はありませんね。
しかし、問題別に見るとこんな感じです。
① 複利(5年後)
日本 44% アメリカ 75%
② インフレ
日本 55% アメリカ 59%
③ 住宅ローン
日本 70% アメリカ 75%
④ 分散効果
日本 47% アメリカ 46%
⑤ 債券価格
日本 24% アメリカ 28%
⑥ 72の法則
日本 42% アメリカ 33%
いかがですか?
複利だけものすごい差があるようですが、他はそこまで大差はないですね。
日本人は、複利というのがよく分かってないようです。
昔は、預貯金に10年おいておくだけで倍になりました。
今は、10年おいておいてもほとんど増えません。
どちらも極端すぎて、「複利」というものに興味を抱かないのでしょうか。
0.01%の金利で複利計算しても、なんかむなしいですもんね。。。
さらにこの調査では、金融知識に自信があるかどうかも調べられました。
金融知識に自信があると答えた人の割合は、
日本 12% に対し、アメリカ 76% でした。
なんということでしょう。
アメリカ人はみんな自信があるようです。
ということは、アメリカにおいて金融教育がさかんに行われている?
と考えましたが、前述の比較を見ると、そこまで正答率に大きな差はないので、
日本人が謙遜しているだけかもしれません。
その証拠に、金融教育を学校で受けた人の割合を見てみると、
日本 7% に対し、アメリカ 21% なのです。
確かに、日本とアメリカには3倍の開きはありますが、
アメリカ人だって21%しか金融教育を受けていないじゃないですか。
ということは、5人に1人しか受けていないんです。
私の予想では、ほとんどのアメリカ人は金融教育を受けていると
思っていたので、この結果は驚きでした。
それではもう一つ、OECD調査との比較も見てみましょう。
金融知識に関する設問の正答率は下記の通りでした。
5問平均
日本 60% 英国 63% ドイツ 67% フランス 72%
① 金利
日本 69% 英国 57% ドイツ 64% フランス 57%
②複利
日本 44% 英国 52% ドイツ 47% フランス 54%
③インフレの定義
日本 62% 英国 80% ドイツ 87% フランス 87%
④リスクリターン
日本 77% 英国 74% ドイツ 79% フランス 87%
⑤分散投資
日本 47% 英国 52% ドイツ 60% フランス 75%
インフレについて、日本だけ正答率が低いのは、
日本が最近大幅なインフレを経験していないからでしょうか。
分散投資に関しては、日本人の投資比率が低いからでしょうか。
よく日本は他国に比べて金融教育が遅れていると耳にしますが、
この結果だけを見ると、そこまで遅れていないような感じがしました。
金利に関しては、日本がトップですもんね!
今回、これらの調査結果を見ることで分かったことは、
日本の金融教育は世界と比べて遅れているのか?
→思ったほど遅れてはいない
アメリカは金融教育が盛んに行われているのか?
→そうでもなさそう
ということでしょうか。
皆さんは、どうお感じになりましたか?
この本、読んでみたいです。