ともらぼ~CFPが100歳人生を考える~

金融教育がほとんどされない日本。その中でこれから迎える100歳人生をどう生きていくかを考えます。

金融リテラシー教育を世界と比較してみる

こんにちは。TOMOです。

今日は前回予告した通り、金融リテラシー教育に関して、

日本と世界を比較してみたいと思います。

 

今日もこちらの調査を参考にしました。

金融リテラシー調査(2019年)

 

余談ですが、この調査をしている「知るぽると」

金融広報中央委員会というところのHPなのですが、

面白いコンテンツがたくさんありますよ。

 

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それでは、本題に入りましょう。

まず、アメリカと日本の比較を見てみます。

 

金融リテラシークイズにおいて、共通の正誤問題の正答率は、

日本47%に対して、アメリ53%です。

全体で見た時は、そこまで差はありませんね。

 

しかし、問題別に見るとこんな感じです。

 

複利5年後)

日本 44% アメリ 75%

 

インフレ

日本 55% アメリ 59%

 

住宅ローン

日本 70% アメリ 75%

 

分散効果

日本 47% アメリ 46%

 

債券価格

日本 24% アメリ 28%

 

72の法則

日本 42% アメリ 33%

 

いかがですか?

複利だけものすごい差があるようですが、他はそこまで大差はないですね。

日本人は、複利というのがよく分かってないようです。

昔は、預貯金に10年おいておくだけで倍になりました。

今は、10年おいておいてもほとんど増えません。

どちらも極端すぎて、「複利」というものに興味を抱かないのでしょうか。

0.01%金利複利計算しても、なんかむなしいですもんね。。。

 

さらにこの調査では、金融知識に自信があるかどうかも調べられました。

金融知識に自信があると答えた人の割合は、

日本 12% に対し、アメリ 76% でした。

 

なんということでしょう。

アメリカ人はみんな自信があるようです。

ということは、アメリカにおいて金融教育がさかんに行われている?

と考えましたが、前述の比較を見ると、そこまで正答率に大きな差はないので、

日本人が謙遜しているだけかもしれません。

 

その証拠に、金融教育を学校で受けた人の割合を見てみると、

日本 7% に対し、アメリ 21% なのです。

確かに、日本とアメリカには3倍の開きはありますが、

アメリカ人だって21%しか金融教育を受けていないじゃないですか。

ということは、5人に1人しか受けていないんです。

私の予想では、ほとんどのアメリカ人は金融教育を受けていると

思っていたので、この結果は驚きでした。

 

 

それではもう一つ、OECD調査との比較も見てみましょう。

金融知識に関する設問の正答率は下記の通りでした。

 

5問平均

日本 60 英国 63% ドイツ 67% フランス 72

 

金利

日本 69 英国 57% ドイツ 64% フランス 57

 

複利

日本 44 英国 52% ドイツ 47% フランス 54

 

③インフレの定義

日本 62 英国 80% ドイツ 87% フランス 87

 

リスクリターン

日本 77 英国 74% ドイツ 79% フランス 87

 

分散投資

日本 47 英国 52% ドイツ 60% フランス 75

 

インフレについて、日本だけ正答率が低いのは、

日本が最近大幅なインフレを経験していないからでしょうか。

分散投資に関しては、日本人の投資比率が低いからでしょうか。

 

よく日本は他国に比べて金融教育が遅れていると耳にしますが、

この結果だけを見ると、そこまで遅れていないような感じがしました。

金利に関しては、日本がトップですもんね!

 

今回、これらの調査結果を見ることで分かったことは、

 

日本の金融教育は世界と比べて遅れているのか?

→思ったほど遅れてはいない

 

アメリカは金融教育が盛んに行われているのか?

→そうでもなさそう

 

ということでしょうか。

皆さんは、どうお感じになりましたか?

 

 この本、読んでみたいです。