ともらぼ~CFPが100歳人生を考える~

金融教育がほとんどされない日本。その中でこれから迎える100歳人生をどう生きていくかを考えます。

生命保険の保険料の決まり方

こんにちは。TOMOです。

突然ですが、皆さん、生命保険はどうやって選んでいますか?

会社の知名度ですか?保険料の安さですか?

営業担当者のお勧めですか?

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前回から、生命保険の基礎を解説していますが、

今回は、生命保険の保険料の決まり方についてお話ししたいと思います。

動画も制作しましたので、ぜひご覧ください。

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まず、生命保険の登場人物を整理しておきましょう。

保険者・・・契約者と保険契約を結ぶ人のこと

通常は、保険会社のことをいいます。

 

契約者・・・保険会社と保険契約を結び、契約上のいろいろな

権利と義務を持つ人のことをいいます。

 

被保険者・・・その人の生死などが保険の対象となる人のことをいいます。

契約者と被保険者が同じ人の場合が多くあります。

 

受取人・・・保険金・給付金を受け取る人のことをいいます。

一般的に、医療保険は被保険者本人が、死亡保険は死亡保険金受取人が

受取人になります。

 

この4者の関係性を覚えておきましょう。

次に、お金についてです。

 

保険料・・・保険契約にともない、契約者が保険会社に支払うお金のことです。

月払い、半年払い、年払い、一括払いなどが選べます。

 

保険金・・・被保険者が死亡・高度障害状態の時等に、生命保険会社から

支払われるお金のことをいいます。

 

解約返戻金・・・保険契約が解約された場合に、契約者に返還される

お金のことをいいます。

 

給付金・・・被保険者が約款に定める支払事由に該当したとっきに

受け取れるお金のことをいいます。

 

保険専門の用語はたくさんありますが、そんなに難しくないですよね。

 

それでは、生命保険に加入するうえでとても気になること、

保険料はいくら払うのか?

 

生命保険料の決まり方を解説していきます。

生命保険料は、生命保険会社が適当に決めているのではありません。

大数の法則と、収支相等の原則に基づき、

予定利率、予定死亡率、予定事業比率の3つの予定基礎利率から

算出されています。

 

一気に難しくなりましたね。

心配いりません。言葉が難しいだけで、内容が分かってしまえばとても簡単です。

 

それでは、1つずつ解説します。

まずは「大数の法則」です。

大数の法則は、数学の時間で習った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

少ないケースでは結果は偏ることがありますが、何度も何度も行ううちに、

結果が均一に近づくというものです。

 

例えば、コインを投げて表がでるか、裏がでるかその確率は50%50%です。

しかし、5回投げた時に5回とも表が出る可能性もあります。

その場合、表が出る確率は50%ではなく、100%です。

 

でもそれを100回、1000回、1万回、10万回、と投げる回数を増やしていくと、

表が出る回数と、裏が出る回数が50%ずつに近づいていきます。

これが大数の法則です。

 

少ないケースでは見出せないことも、多くのケースをみれば

一定の法則があるのです。

 

次に、「収支相等の原則」です。

生命保険は基本的に、契約者全体が払い込む保険料の総額と、

保険会社が受取人に支払う保険金の総額とが等しくなるように

保険料を算出します。これを収支相当の原則といいます。

 

そもそも生命保険は、加入者が互いに経済的に助け合う、相互扶助の仕組みです。

ですので、この収支相等の原則が成り立つわけです。

 

次に3つの予定基礎率を解説します

まずは「予定死亡率」です。

保険の契約期間中に死亡する人がどれくらいいるのかを予測した

割合のことです。

過去のデータから、年齢・性別等の死亡者数を予測して出します。

 

予定死亡率が高いほど保険料は高くなるので、男性と女性の同じ年齢を

比べると、男性の方が保険料は高くなります。

 

次に「予定利率」です。

保険会社は、契約者から払い込まれた保険料を運用します。

保険会社はこの運用で得られる一定の運用収益を見込み、その分を

保険料から割り引いています。

予定利率とは、その割引率のことです。

 

予定利率が高くなると保険料は安くなり、その逆に予定利率が低くなると

保険料は高くなります。

予定利率は、契約更新時や払込終了時まで基本的には変わらないので、安心ですね。

 

生命保険に加入する際、予定利率を気にする方がいらっしゃいますが、

基本的に保険金は加入時に決定します。

〇〇円の保険料を支払ったら、△△円の保険金が受け取れる、

というのが加入時に決定するのです。

ですので、予定利率はそこまで気にしなくていいかもしれませんね。

 

最後に「予定事業比率」です。

保険会社の運営にかかる諸経費の割合のことです。

契約の締結や、保険契約の維持管理など、事業を運営していくうえで

いろいろな経費がかかります。

この予定事業比率が高いほど、保険料は高くなります。

 

なので、対面で入る保険よりも、ネットで入る保険の方が一般的に

保険料が安くなっていますね。

 

このように、保険料はいろいろな要素が絡み合って決まっています。

 

なかなか奥が深いですね。

 

次回は、配当金と保険料の構成について解説する予定です。