ともらぼ~CFPが100歳人生を考える~

金融教育がほとんどされない日本。その中でこれから迎える100歳人生をどう生きていくかを考えます。

生命保険の保険金はいくらが最適?

こんにちは、tomoです。先日久しぶりにピザポテトを購入したのですが、なんだか袋が小さくなったような・・・いろいろな物の値段が上がっていますね*1

それでは今回は前回の続きで、生命保険の保険金はいくらが最適なのか、について解説したいと思います。

動画もありますのでこちらもご覧ください(^^♪

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人が亡くなった際に、遺族に支払われる保険金を死亡保険金といいます。そして、死亡保険金の額は、「必要保障額」と言われます。人が亡くなった際、遺族のその後の生活費がいくらかかるのか、いくら必要なのか、ということです。

皆さんお気づきの通り、ご家庭によって、また、亡くなる年齢によって、必要保障額は全く異なります。

例えば、夫が45歳で亡くなったとしましょう。その時に、

遺族は妻一人でしかもその妻はフルタイムで働いているご家庭

子供が1人いて妻はパートで働いているご家庭

子供が3人いて妻は専業主婦のご家庭

それぞれそのご家庭の必要な生活費は違いますよね。それでは、具体的にはどうやって計算したらいいのでしょうか。子供が3人いて妻は専業主婦のご家庭を例にみていきたいと思います。

夫が突然の心臓発作で45歳で亡くなります。その時妻は42歳。子供は長男12歳、次男10歳、長女5歳の3人です。

【生活費】

毎月の生活費は30万円でした。一般的に夫が亡くなると生活費は70%になると言われています。なので生活費は30万円×70%で21万円になります。子供達が1人独立するごとに、10%少なくなるとしましょう。長男独立後の生活費は189,000円、次男独立後の生活費は170,100円、長女独立後の生活費は153,090円、と仮定します。

【住居費】

住宅は夫名義で住宅ローンを組んで戸建て住宅で暮らしていました。住宅ローンには、多くの場合団体信用生命保険、団信というものがついていて、夫に万一のことがあるとその後の支払いを免除されます。ということはこのご家庭はその後の住宅費は免除されます。

【教育費】

その他に大きな支出は教育費です。子供たち3人は、父親が早くに亡くなってしまったので、大学まで公立に通うことにしました。教育費の平均額は、幼稚園で年間約22万円、小学校で年間約32万円、中学で年間約48万円、高校で年間約40万円、大学で年間約134万円とされています。とすると長男は中学、高校、大学で合計約804万円、次男は小学校2年、中学、高校、大学で約868万円、長女は幼稚園1年、小学校、中学、高校、大学で約1,019万円かかります。

ということで、このご家庭は奥様が平均余命(88歳)で亡くなるまでいくらかかるかというと、約1億1893万円です。すごい金額ですね。

しかし、この全額を生命保険で用意する必要はありません。日本には、充実した公的保障があります。夫が会社員で年収約600万円だとした場合、遺族年金、ならびに妻の老齢基礎年金等が受取れます。その額は、約6620万円です。

また、このご家庭には預貯金が500万円あります。ということで、トータルでかかるお金、 1億1893万円から、公的保障で賄えるお金6620万円、預貯金の500万円を差し引いた約4780万円がこのご家庭の必要保障額です。この金額を死亡保険金としておくと遺族の生活は安心でしょう。

もし必要保障額を準備できなければ、お子様が進学を諦めなくてはいけないかもしれません。生活費を極限まで切り詰めなくてはいけないかもしれません。そんなことになると分かっていたら、夫は死んでも死にきれなくないですか?

また、お気づきの通り、必要保障額は歳を追うごとに少なくなります。1回生命保険に加入したらかといって安心せずに、定期的に必要保障額を見直して、生命保険も見直しをすることをお勧めします。お子様が学校を卒業する度に見直すといいと思います。

今回算出した金額はあくまでもイメージです。実際の金額を計算する時は専門家に相談してみてください。

今回は、生命保険はいくら入ればいいのか?について解説しました。前回のブログで解説しましたが、生命保険の保険金は安ければいいというものではありません。必要保障額は4000万円のご家庭で、500万円しか保険金が受取れなかったら、遺族は本当に困ると思います。

「保険料が安くなってうれしい!」というCMに惑わされることなく、それぞれのご家庭に合った金額の保険に入るようにしたいですね。

 

*1:+_+