ともらぼ~CFPが100歳人生を考える~

金融教育がほとんどされない日本。その中でこれから迎える100歳人生をどう生きていくかを考えます。

ゼロクーポン債って難しい?

こんにちは、tomoです。

明日は関東でもまた雪が降るみたいですね。外出しなくてはいけない方は、スニーカーやスノーブーツなどを履いてお出掛けされた方がいいかもしれません。

 

前回は利付債について解説をしましたので、今回は債券のもう1つの種類である、「ゼロクーポン債」について解説をしたいと思います。

f:id:tomolabo_cfp:20220209151438j:plain

ゼロクーポン債」という言葉だけ聞くと、なんだか難しいイメージがありませんか?名前に惑わされてはいけません。仕組みは「利付債」よりも簡単です。

動画でも解説しています(^^)/

youtu.be

ゼロクーポン債」とは、クーポン(利息)の支払いが無い代わりに、額面よりも低い価格で発行される債券のことです。「利息」のことを英語で「クーポン」と言います。クーポンがゼロなので、ゼロクーポン債と呼ばれます。

割引債とも呼ばれ、額面金額の100%で償還されるため、購入価格と償還価格の差額が利益となります。

例えば、購入時債券価格が70だったとします。その債権を70万円分購入します。すると、償還時債券価格は100となるため、100万円となって戻ってきます。

すなわち、100万円から70万円を差し引いた30万円が利益となります。

償還を待たず、途中で売却することも可能です。

その場合、債権価格はその時の時価となります。

時価なので、その時の市場動向の影響をうけます。

110の時もあれば、60の時もあるかもしれません。先ほどの例でいうと、70万円で購入して、途中で売却しようと思った時に、価格が110となっていたら110万円で売却することになるので、40万円の利益がでます。一方で、60となっていたら60万円となるので、10万円マイナスがでます。

たまに購入した債券の時価を確認してみて、大きな利益が見込まれる場合は、償還を待たずに途中で売却してもいいかもしれませんね。

 

ゼロクーポン債は、主に米国やヨーロッパで発行されます。そのため、為替レートが大きく影響しますので、何年後かに確実に必要な資金を貯める手段としては、少し危険かもしれません。

一方で、為替レートによっては、大きく増やすことができるので、投資商品としてはお勧めです。

 

税金はどうなっているのでしょうか。ゼロクーポン債の譲渡益と償還差益は、20.315%の税率による申告分離課税の対象となります。上場株式等の譲渡損失及び配当所得との損益通算が可能です。特定口座の対象なので、源泉徴収ありの特定口座にいれておくことで、自分で確定申告をしなくてもよくなります。

 

それでは、利付債とゼロクーポン債は、どちらがいいのでしょうか?

利付債は、定期的に利息を受け取ることができるので、安定した収入源とすることができる一方で、ゼロクーポン債は、償還時にまとまった利益を得ることができます。

外貨建てが多いので為替差益も考えなくてはいけませんが、車の定期点検の資金のために、定期的な資金が必要な方は利付債、車の購入費のために、何年後かにまとまった資金が必要な方はゼロクーポン債を選択してもいいかもしれません。ただし、為替レートが受取額に大きな影響を及ぼします。

満期まで保有することで、外貨では確実に利益を得られますが、日本円に戻すタイミングを計る必要がありますので、数年後に確実に必要な資金を貯める方法としては、ちょっと問題があるかもしれませんね。

 

実際、利付債も、ゼロクーポン債も、円建てのものにあまり魅力はありません。購入するのであれば、外貨建てがいいと思います。証券会社のホームページを見てみると、現在購入できる債券の一覧が載っていると思います。また、既発債といって、新規で購入するのではなく、誰かが購入して途中で売却したものも証券会社では取り扱いがあります。発行体、通貨、利回りを確認して、良さそうなのを購入してみるのもいいと思います。

利付債もゼロクーポン債も債券ですので、株式や投資信託よりはリスクが低いと思います。何か投資をしてみようと考える場合、まずこれからやってみるのはいかがでしょうか。株式や投資信託のように、毎日大きく値動きするものではありませんが、たまに時価を確認してみて、大きく価格が上がっていたら途中で売却して、利益を得られると嬉しくなりますよ(^^)/