ともらぼ~CFPが100歳人生を考える~

金融教育がほとんどされない日本。その中でこれから迎える100歳人生をどう生きていくかを考えます。

60歳以降に働いたら受取れる年金が減る?

こんにちは、tomoです。

猛暑ですね・・・梅雨はどこへ行ってしまったのでしょうか?まだ暑さに体が慣れていない時期です。熱中症にはお気をつけください(*ノωノ)

前回のブログでは「老齢厚生年金」について解説しました。老齢厚生年金の額を増やす為には、60歳以降も会社員として働くのが1つの手だとお伝えしましたが、実は65歳以降も会社員として働いてしまうと、受取れる年金が減ってしまうこともあります。

そこで今回は「在職老齢年金」について解説します。

在職老齢年金制度とは

老齢厚生年金の受給者が、厚生年金の被保険者として働き続けると、老齢厚生年金の受給額が減らされる制度です。要するに、会社員だった人が、65歳以降も会社員として働き続けると、65歳から受取れる老齢厚生年金の金額が減らされてしまう、ということです。厚生年金のみが対象となるので、老齢基礎年金は減らされません。

 

いくら減らされるのか?

年金額と給与の合計が47万円を超えると、超えた金額の1/2が減額されます。減額された金額は、将来戻ってきません。この収入というのは、厚生年金に加入している働き方のみが対象となるので、自営業としての収入や、家賃収入は対象ではありません。

 

具体例

老齢厚生年金・・・20万円
総報酬月額相当額(給与)・・・30万円
の場合、
合計すると50万円となる為、47万円を3万円超えます。この超えた3万円の1/2である、15,000円が老齢厚生年金から減額される金額です。老齢厚生年金が20万円ではなく、18万5,000円になるということですね。


まとめ

65歳以降も会社員として働き続けると、老齢厚生年金は減額されてしまうかもしれません。生活費の為に働いているのに、働いたことによって年金額が減額される、なんか納得いかない制度の様な気もします。ただ、働いた方が手元に入ってくる合計額は多くなると思うので、この制度があるからと言って働くのを辞めるというのは得策ではないと思います。

 

 

会社員の老後は年金だけで賄える?

こんにちは、tomoです。ジメジメした日が続くようになりましたね(-ω-)/

今回は、会社員が受取れる「老成厚生年金」について解説します。

以前、老後2,000万円というのが問題になりましたね。
実際、会社員の老後の資金は年金だけで賄えるのでしょうか?

会社員の方は老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受取ることができます。国民年金のみの自営業の方やフリーランスの方よりは、年金を多く受け取ることができます。
そこで今回は、老齢厚生年金がどういう制度なのか、解説します。

 

老齢厚生年金とは

老後に受け取れる厚生年金のことを「老齢厚生年金」といいます。65歳から老齢基礎年金に上乗せして受給できます。老齢厚生年金は加入期間が1カ月以上あれば受給できますが、老齢基礎年金とセットなので、老齢基礎年金の加入期間が10年に満たないと老齢厚生年金も受取ることが出来ません。

老齢基礎年金に上乗せして受取れるため、「老齢厚生年金」のことを年金の2階建て部分といいます。

 

保険料はいくら支払う?

老齢厚生年金の保険料は
標準報酬月額×18.3%
標準賞与額×18.3%
を自分と会社で半分ずつ支払います。

ざっくり言うと、年間の保険料はボーナス込みの年収の18.3%というイメージです。ただし、月給は65万円、賞与は150万円が上限となる為、年収が高ければ高いほど保険料が増えるということはありません。毎月の保険料の詳細は、給与明細に記載があるのでそちらを確認してみてください。

また、月給は65万円、賞与は150万円の上限があるということは、現役時代の収入が多ければ多いほど、年金額と給与の差が大きくなるということです。

 

年金はいくら受け取れる?

【平成15年3月までの期間】
平均標準報酬月額×7.125/1000×被保険者月数

【平成15年4月以降の期間】
平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者月数

で計算をします。
詳細を自分で計算するのは難しいですが、現在の年収を12で割ったものに5.481/1000をかけて、会社員でいるであろう期間(月数)を掛けるとざっくりとした目安を知ることが出来ます。

平成15年3月までの期間はボーナスを含まなない収入に対して料率をかけ、平成15年4月以降の期間は、ボーナスを含んだ収入に対して料率をかけるので、期間によって料率が異なっています。

 

年金額を増やすには?(その1)

60歳以降も会社員として働くと、引き続き厚生年金保険料を支払うことになります。そうすることで、受け取れる年金額も増えていきます。

 

年金額をふやすには?(その2)

年金の受給開始を65歳よりも後に繰り下げることで、1カ月あたり0.7%年金額を増やすことができます。5年繰下げて70歳から受取ることにすると、42%年金額が増えます。
例えば、毎月10万円受け取れる予定の方は、142,000円受け取れる様になります。

 

まとめ

老齢厚生年金は、老齢基礎年金に上乗せして受け取ることが出来る為、老後の生活費としては頼りにできる年金です。しかし、平均の受給額は15万円弱というデータもあります。老齢基礎年金と合わせても22万円程度となります。昨今、物価の高騰も進んでいるので会社員の方も、やはり今から自分でコツコツと準備していくことが大切です。

老後2,000万円問題は誰もが自分事としてとらえた方がいいと思います。

 

 

国民年金基金ってどんな制度?

こんにちは、tomoです。全国的に梅雨入りしてきましたね・・・

前回のブログでは、老齢基礎年金を増やす4つの方法を解説しました。そこで今回は、前回ちょっとだけご紹介した、自営業やフリーランスの方が、厚生年金の様な2階部分を作る制度である、「国民年金基金」について解説します。

対象者

20歳~60歳の第1号被保険者、または60歳~65歳の国民年金の任意加入者が加入できます。
厚生年金の対象者である第2号被保険者は加入することが出来ません。


掛金

加入年齢・性別によって異なりますが、毎月最大68,000円まで加入できます。
iDeCoと合わせて68,000円となるので、iDeCoに加入している方は注意が必要です。


給付の型

終身年金A型・B型、確定年金Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型・Ⅳ型・Ⅴ型の7種類があります。1口目は終身年金A型・B型から、2口目以降は7種類の中から好きな型を選べます。
掛金の額は、選択した型と年齢・性別によって異なる為、国民年金基金のHPで確認してみてください。


給付期間

終身年金を基本として、65歳から受給できます。
老齢基礎年金に上乗せして受け取れる為、自営業の方やフリーランスの方も老後の生活資金を年金だけで賄える様になるかもしれません。


まとめ

老齢基礎年金だけで老後の生活費を賄うことは難しいですが、国民年金基金に加入することで、老齢基礎年金に上乗せして年金を受取ることが出来ます。
自営業やフリーランスとして働いている方等の第1号被保険者の方で、国民年金の掛金にプラスで掛け金を支出できるという方は、是非加入を検討してみるといいと思います。

 

 

 

知ってたら得かも!?老齢基礎年金を増やす4つの方法

こんにちは、tomoです。先日、もうすぐ梅雨入りかもと書きましたが、その日に梅雨入りしていました・・・今日はちょっとだけ晴れてますね(^^)/

今回は、老齢基礎年金を増やす4つの方法について解説します。

前回解説したとおり、自営業やフリーランス、専業主婦の方は月に約65,000円の老齢基礎年金しか受け取ることができません。
現在の日本において、月に約65,000円で生活していくのはなかなか厳しそうですよね。そこで今回は、その年金額を増やす4つの方法を解説します。


任意加入する

保険料の納付月数が480カ月(40年)未満の場合で、厚生年金に加入していない人は480カ月に達するまで60歳以降も保険料を納めることが出来ます。
学生時代20歳から22歳まで未納だった人も、62歳まで保険料を支払うことで、65歳から満額の老齢基礎年金を受取ることができます。


繰下げる

年金の受取開始を65歳よりも後に繰下げることで、繰下げ期間1カ月につき0.7%年金額を増やすことができます。
例えば5年間繰下げて70歳から受給を開始すると、年金額を42%増やすことができます。


付加年金に加入する

月額400円を通常の保険料にプラスして納付すると、200円×付加保険料納付月数を老齢基礎年金にプラスして受け取ることができます。
例えば、5年間付加保険料を支払うと、24,000円多く保険料を支払うことになりますが、毎年12,000円多く老齢基礎年金を受取れる様になります。2年で24,000円を回収できるので、3年目以降はずっと利益が得られるということですね。


国民年金基金に加入する

老齢基礎年金に上乗せして年金を受取ることが出来る制度です。月に最大68,000円保険料を上乗せして支払うことで、自営業やフリーランスの方など国民年金しか受け取れない方も、厚生年金のような上乗せの年金を作る事ができます。

詳しくは、次回解説します。

 

老齢基礎年金は満額でも約65,000円しか受け取れません。今回、老齢基礎年金を増やす4つの方法
①任意加入
②繰下げ
③付加年金
国民年金基金に加入

を解説しました。付加年金は月に400円を上乗せして支払うものですので、是非加入してみてください。また、資金に余裕がある場合は国民年金基金の加入もお勧めです。第1号・第3号被保険者の方は、厚生年金に加入している第2号被保険者と比べると、いろいろな保障がかなり弱いです。今のうちから、少しでも年金額を増やせる様に対策することをお勧めします!

 

 

 

老後の生活費 足りる?足りない?

こんにちは、tomoです。今週はずっとお天気が悪いみたいですね。もうこのまま梅雨入りしてしまうんでしょうか・・・

今回は、自営業の方も、フリーランスの方も、会社員の方も、主婦の方も、全ての人が加入している「国民年金」のうち、老後に受取ることができる「老齢基礎年金」について解説します。

老齢基礎年金とは

65歳から受け取れる国民年金のことを「老齢基礎年金」といいます。自営業者だけでなく、第1号・第2号・第3号被保険者全員が受取ることができます。
ただし、10年以上加入していないと受取ることはできません。9年10カ月保険料を払っていたとしても受取れないので、保険料を滞納されている方等は、悔しい思いをしない様に気を付けた方がいいでしょう。


保険料はいくら支払う?

国民年金の保険料は、収入に関係なく毎月16,590円(令和4年度)です。
この金額は毎年見直される為、増えたり減ったりします。また別の機会に解説する予定の「厚生年金」の保険料と比べると、結構安いです。その分、厚生年金と比べると受取れる額も少なくなります。


年金はいくらもらえる?

老齢基礎年金は、満額で毎月64,816円(令和4年度)受取れます。ただしこの金額は、40年間フルで保険料を支払った方が受け取れる額です。
未納等、支払っていない期間があるとこの金額よりも少なくなります。また、満額の保険料も毎年調整される為、増えたり減ったりします。満額でこの金額だと、1か月の生活費を賄うのはちょっと厳しいのではないでしょうか。

 

実際にもらえる額を計算する方法

老齢基礎年金で毎月受け取れる額は、
777,792円×保険料納付済み金額/480カ月÷12 で計算します。(令和4年度)
ざっくり言うと、保険料を支払わなかった期間1年につき、約2万円年金額が減ります。

 

老後の生活費足りる?足りない?

1人世帯の場合、満額でも月に65,000円程度の年金額になる為、老齢基礎年金だけで生活していくことは難しいでしょう。
2人世帯の場合、2人で130,000円程度の年金額になりますが、これでも相当節約しないと、生活していくことは難しいでしょう。

 

まとめ

国民年金のみに加入している自営業の方やフリーランスの方は、老齢基礎年金だけでは老後の生活費は賄えないと思っておいた方がいいと思います。また、別の機会に解説する予定ですが、公的年金には「マクロ経済スライド」というものがある為、物価の上昇に負けていく仕組みになっています。最近物価が上昇していますが、物価が上がって生活費が増えても、受取れる年金額は物価の上昇率分は増えません。

今のうちからコツコツと老後の生活資金を準備しておくことをお勧めします。

 

 

あなたはどっち?国民年金?厚生年金?

こんにちは、tomoです。一気に暑くなりましたね(*ノωノ)

梅雨入り前で今が一番過ごしやすくて気持ちいいですが、油断して風邪をひかないように注意しないといけませんね。

それでは今回は、国民年金と厚生年金の概要を解説したいと思います。

公的年金は、被保険者が第1号・第2号・第3号に分かれます。ご自身がどの被保険者区分かご存じですか?今回は、それぞれどういった年金が受け取れるのか解説します。

 

第1号被保険者とは

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者、農業・漁業者、学生および無職の人とその配偶者の方のことです。「国民年金」を受取ることができます。

保険料は収入に関係なく、毎月16,590円(令和4年度)支払います。

後ほど解説する第2号被保険者の方は、この「国民年金」も受取ることが出来ます。

 第2号被保険者とは

国民年金加入者のうち、厚生年金や共済組合等に加入している会社員や公務員の方のことです。「国民年金」と「厚生年金」の両方を受取ることができます。

保険料は、標準報酬月額・標準賞与額×18.3%を労使折半で支払います。
労使折半とは、会社と自分で半分ずつ支払うということです。

第1号・第2号・第3号被保険者の中で、一番手厚い年金を受取ることができます。その分かなり高い保険料を支払うことになっているので当然といえば当然ですが・・・

第3号被保険者とは

第2号被保険者に扶養されている配偶者で、原則として年収が130万円未満の20歳以上60歳未満の方のことです。「国民年金」を受取ることができます。

保険料の負担はありません。

以前は保険料を支払っていない専業主婦の方は国民年金を受取ることができませんでしたが、現在は保険料を支払わなくても年金を受取ることが出来る様になりました。ちょっとお得な感じがしますね。

年金を1番多く受取れるのは?

第2号被保険者は、「国民年金」と「厚生年金」の両方が受け取れるためほとんどの場合、1番多く年金を受取ることができます。逆に、第1号、第3号被保険者は「国民年金」しか受取ることが出来ないので第2号被保険者より、自助努力が必要になります。次回以降に、具体的な年金額について解説したいと思っていますが、国民年金のみの方は本当に自助努力が必要です。老後の生活費は年金で受取れると、漠然とイメージされている方が多いと思いますが、今はもうそんな時代ではなくなりました。

まとめ

公的年金制度は20歳以上の方が全員加入することになっていますが、働き方によって、受け取れる年金種類が異なります。
ざっくり分けると
第1号被保険者 自営業・学生・無職
第2号被保険者 会社員・公務員
第3号被保険者 会社員・公務員の配偶者
となります。ご自身はどれに当てはまりますか?どれに当てはまるかによって、もらえる年金額は全然異なります。いざ年金を受取る年齢になってから考え始めても遅いこともあります。今のうちに、自分がどの年金をいくら受け取れるのかを明確にして、足りない分について準備をしていきましょう!

 

 

 

公的年金の3つの機能知っていますか?

こんにちは、tomoです。前回のブログからまたしても間隔が空いてしまいました・・・(*ノωノ)その間にどんどん物価が上がってしまいましたね・・・

最近、公的保険制度についていろいろと調べてみましたので、このブログでも解説していきたいと思います。

今回は、「公的年金の3つの機能」についてです。

公的年金というと、老後に受け取れる年金のことをイメージされる方が多いと思いますが、それだけではありません。

様々な万が一のことが起こった際に、その後の生活を助けてくれる公的保険制度なのです。

そこで今回は、公的年金制度の3つの機能について解説します。

01 公的年金の対象者は?
公的年金制度は日本国内に住む20歳から60歳の全ての人が加入します。保険料を支払っている全ての人が対象です。

02 その①老齢年金

65歳以降に受取ることができて、老後の生活資金の大切な収入源です。「公的年金」と聞いて多くの人がイメージするのがこの「老齢年金」です。

03 その②障害年金

障害の状態になった時に受取ることができて、障害状態で働けない時の大切な収入源となります。障害状態で働けなくなって、いきなり収入が断たれてしまったら、生活できなくなってしまいますよね。そんな時に、公的年金が生活をサポートしてくれます。

04 その③遺族年金

世帯主に万一のことがあった時、のこされた遺族が受取ることができて、遺族の大切な収入源となります。夫が働いていて、妻が専業主婦というご家庭の場合、夫に突然万一のことがあると、妻はその後生活が出来なくなってしまいます。更に、お子様がいたらもっと困ってしまいます。そうならない様に、公的年金が生活をサポートしてくれます。

まとめ

公的年金」には次の3つの機能があります。

①老齢年金
障害年金
③遺族年金

ほとんどの日本人が加入している公的年金制度は、老後の為だけの制度ではありません。障害状態で働けなくなった時や、世帯主に万一のことがあった際の遺族の生活保障もあります。

加入は義務です。若い方の中には、自分が65歳になる頃には年金はもらえないんじゃないか?という考えから保険料を支払っていない方もいる様です。若い時に万一のことがあった際にも助けてもらえる制度が「公的年金」です。保険料はしっかりと払っておいた方がいいと思います。

 

生命保険の保険金はいくらが最適?

こんにちは、tomoです。先日久しぶりにピザポテトを購入したのですが、なんだか袋が小さくなったような・・・いろいろな物の値段が上がっていますね*1

それでは今回は前回の続きで、生命保険の保険金はいくらが最適なのか、について解説したいと思います。

動画もありますのでこちらもご覧ください(^^♪

youtu.be

人が亡くなった際に、遺族に支払われる保険金を死亡保険金といいます。そして、死亡保険金の額は、「必要保障額」と言われます。人が亡くなった際、遺族のその後の生活費がいくらかかるのか、いくら必要なのか、ということです。

皆さんお気づきの通り、ご家庭によって、また、亡くなる年齢によって、必要保障額は全く異なります。

例えば、夫が45歳で亡くなったとしましょう。その時に、

遺族は妻一人でしかもその妻はフルタイムで働いているご家庭

子供が1人いて妻はパートで働いているご家庭

子供が3人いて妻は専業主婦のご家庭

それぞれそのご家庭の必要な生活費は違いますよね。それでは、具体的にはどうやって計算したらいいのでしょうか。子供が3人いて妻は専業主婦のご家庭を例にみていきたいと思います。

夫が突然の心臓発作で45歳で亡くなります。その時妻は42歳。子供は長男12歳、次男10歳、長女5歳の3人です。

【生活費】

毎月の生活費は30万円でした。一般的に夫が亡くなると生活費は70%になると言われています。なので生活費は30万円×70%で21万円になります。子供達が1人独立するごとに、10%少なくなるとしましょう。長男独立後の生活費は189,000円、次男独立後の生活費は170,100円、長女独立後の生活費は153,090円、と仮定します。

【住居費】

住宅は夫名義で住宅ローンを組んで戸建て住宅で暮らしていました。住宅ローンには、多くの場合団体信用生命保険、団信というものがついていて、夫に万一のことがあるとその後の支払いを免除されます。ということはこのご家庭はその後の住宅費は免除されます。

【教育費】

その他に大きな支出は教育費です。子供たち3人は、父親が早くに亡くなってしまったので、大学まで公立に通うことにしました。教育費の平均額は、幼稚園で年間約22万円、小学校で年間約32万円、中学で年間約48万円、高校で年間約40万円、大学で年間約134万円とされています。とすると長男は中学、高校、大学で合計約804万円、次男は小学校2年、中学、高校、大学で約868万円、長女は幼稚園1年、小学校、中学、高校、大学で約1,019万円かかります。

ということで、このご家庭は奥様が平均余命(88歳)で亡くなるまでいくらかかるかというと、約1億1893万円です。すごい金額ですね。

しかし、この全額を生命保険で用意する必要はありません。日本には、充実した公的保障があります。夫が会社員で年収約600万円だとした場合、遺族年金、ならびに妻の老齢基礎年金等が受取れます。その額は、約6620万円です。

また、このご家庭には預貯金が500万円あります。ということで、トータルでかかるお金、 1億1893万円から、公的保障で賄えるお金6620万円、預貯金の500万円を差し引いた約4780万円がこのご家庭の必要保障額です。この金額を死亡保険金としておくと遺族の生活は安心でしょう。

もし必要保障額を準備できなければ、お子様が進学を諦めなくてはいけないかもしれません。生活費を極限まで切り詰めなくてはいけないかもしれません。そんなことになると分かっていたら、夫は死んでも死にきれなくないですか?

また、お気づきの通り、必要保障額は歳を追うごとに少なくなります。1回生命保険に加入したらかといって安心せずに、定期的に必要保障額を見直して、生命保険も見直しをすることをお勧めします。お子様が学校を卒業する度に見直すといいと思います。

今回算出した金額はあくまでもイメージです。実際の金額を計算する時は専門家に相談してみてください。

今回は、生命保険はいくら入ればいいのか?について解説しました。前回のブログで解説しましたが、生命保険の保険金は安ければいいというものではありません。必要保障額は4000万円のご家庭で、500万円しか保険金が受取れなかったら、遺族は本当に困ると思います。

「保険料が安くなってうれしい!」というCMに惑わされることなく、それぞれのご家庭に合った金額の保険に入るようにしたいですね。

 

*1:+_+

金融情報は何が正しい?

こんにちは、tomoです。

すっかり夏の気候になりましたね('ω') まだ衣替えをしていないので、毎日何を着たらいいか悩んでいます・・・

今回は、金融情報は何が正しいのかについて考えてみたいと思います。

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最近、YouTubeを始めいろいろなSNSで情報が氾濫しています。金融の情報もいろいろな人がいろいろな事を発信していますよね。いろいろな情報が簡単に手に入れられるようになったというのは、とてもいいことだと思います。

でも、YouTubeの情報って「良い」「悪い」を断定してしまっていることが多いと感じませんか?

数学の計算式に対する答え、1+1=2のようなものであれば、「正解」か「不正解」かがハッキリしているのでそれでいいと思うんですけど、金融に関することって正解がないのに、なんで「良い」「悪い」を断定できるのでしょうか?

特に気になるものは

がん保険は不要

・貯蓄型保険は不要

・外貨建て保険は悪

投資信託はアクティブファンドなんて言語道断

投資信託はインデックスファンド一択

といったものです。

これって、本当に合っていますか?「がん保険に入っていて本当に助かった!」という人はたくさんいます。貯蓄型保険に加入して資産を増やしている人もいます。外貨建て保険で利益を出した人もいます。アクティブファンドで利益を出した人もいます。逆にインデックスファンドで損をした人っていないんでしょうか?

どの金融商品も一長一短あって、ある人にとっては「良い」ものでも、ある人にとっては「悪い」ものなんです。逆に、ある人にとっては「悪い」ものでも、ある人にとっては「良い」ものなんです。それなのに、影響力のあるユーチューバーなどが断定的に解説してしまい、その情報だけを信じて行動してしまう人がいるというのは、なんだかとても心配です。

YouTubeSNSでの配信は、視聴回数が大切なので偏った断定的な意見を言うことで人を惹きつけていますよね。そしてその情報を過信してしまい、言う事を聞いてしまう人がたくさんいます。その情報が間違っていて、後から後悔してもユーチューバーは責任をとってくれません。「それを実行に移すかどうかは自己責任ですから」と言って。

 

情報が簡単に手に入るようになったからこそ、いろんな情報を得て、それが「良い」か「悪い」かを自分でジャッジできるように、金融教育は学校でしっかりやらないといけないのではないでしょうか。

正解が無いものに対して、「あれは良い」「あれは絶対ダメ」と言っている人は信用するべきではありません。そして情報の発信は本来中立であるべきだと思います。

 

 

CMに騙されないで!保険料は安ければいい?

こんにちは、tomoです。

あっという間に4月も1週間過ぎてしまいましたね('ω') まだ寒い日が続いていますが、これからだんだんと暖かくなるのが楽しみです♪

今回は、最近よく流れている「保険料がこんなに安くなります!」というCMについて考えてみたいと思います。

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保険料はただ安ければいいのでしょうか?

テレビのCMで、「ネットで生命保険に加入したら毎月の保険料がこんなに安くなりました!」というのがよく流れています。ああいうCMを見ると、なんだかお得な気がしてしまいますが、騙されてはいけません。

動画でも解説していますのでこちらもご覧ください↓

youtu.be

あのCMは、何と比較して安くなったんでしょうか?

例えば、夫が死亡した際に1,000万円の保険金が支払われる保険があったとします。それに加入するために、A社は毎月保険料を10,000円支払う必要があります。同じ条件の保険でも、B社は5,000円の保険料です。現在A社に加入している人が、B社に加入し直して毎月の保険料が安くなった、それならあのCMも分かります。

全く同じ保障内容なのであれば、保険料は安いにこしたことはないですよね。

でも、例えば夫が死亡した際に1,000万円の保険金が支払われる保険に毎月の保険料5,000円で入っていた人が、毎月の保険料が3,000円になる代わりに、夫が死亡した際に支払われる保険金が500万円になったとしたらどうですか?

死亡保険金が少なくなったんですから、毎月の保険料が安くなるのは当たり前ですよね(笑)

生命保険は、万一のことがあった際のお守りです。夫が死亡した際に入ってくる保険金は、遺族のその後の大切な生活費です。毎月支払う保険料は安いにこしたことはありませんが、死亡した際の保険金は安ければいいというものではありません。ご家庭ごとに、必要な資金というのはあるんです。

保険料をとにかく安くするために、死亡保険金はいくらになっても構わない?そんな訳ありません。保険は加入することが目的ではなくて、万一があった際に遺族が困らずに生きていけるようにしておくことが目的です。

保険会社のCMが、保険料安ければいいというように作られていることには本当にがっかりします。死亡保険金の額を下げて、その分保険料を安くする、それに何の意味があるんでしょうか?

小さいお子さんが3人いて、奥様が専業主婦、このご家庭で今ご主人に万が一があって、死亡保険金が500万円しか支払われなかったら、そのご家庭はどうやって生活をしていけばいいでしょうか?小さいお子様が3人もいて、奥様はいきなりフルタイムで働けますか?

もちろん、遺族年金などの公的な保障が受取れます。でも実際、500万円なんてきっとあっという間に無くなってしまいます。毎月支払う保険料は安ければいいというものではありません。夫が死亡した際に、いくらあればその後の生活はなんとかなるか、それをしっかりと計算してその額が受け取れる生命保険に加入することが大切です。

それでは、その額はどうやって計算したらいいのでしょうか。計算の仕方については、次回解説したいと思います。